トピックス:心配を掛けたくない

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※「あなたにもある心を回復する機能」に掲載しているトピックスをご紹介しています。

「心配掛けたくない」という言葉は、

相手を思いやる優しさであるような印象を与えますが、

実はとても奇妙なところのある言葉でもあります。

 

全てが次の説明にあてはまる訳ではありませんが、

これから説明するような状況もあることを知っておいて下さい。

 

まず、『他人を心配する』ということについて考えてみます。

 

当たり前のことですが、心配をするのは誰かというと、

心配される側の人ではなく、心配する側の人です。

 

つまり、心配する人の責任においてなされる思考や行動ですから、

他の人がその人の心配を止めさせることは、できないものです。

次に、「心配を掛けたくない」という言葉について説明します。

 

これは、心配される側の人が考える言葉です。

 

心配される側の人が、このような言葉を口にする気持ちを想像してみます。

 

この言葉を、客観的に解釈すると、

● 自分がつらい経験をしたことを知った相手は、

 『心配する』という言葉で表現される状態や行動に陥ることが、

 過去の経験から予測される

 

● 相手が『心配する』という状態になることは、避けたい状況である

 

となります。

 

ここから想像すると、「心配を掛けたくない」という人は

過去の経験から

 

■相手の『心配する』という行動は、

 自分のつらい気持ちを癒して安心にすることにはつながらなかった

 

と考えているのだろうと想像できるのです。

 

これが「心配を掛けたくない」という言葉の背景です。

 

相手の心配という行動は、ほとんどの場合、

「あなたのことを思っている」といった言葉で正当化されてしまいます。

 

また、その様子を見た第三者からも、

「相手への思いやりから案じている」と認識されやすいところがあります。

 

このように考えてしまいやすい状況は、

現在の社会にある「心配掛けるのは良くない」という雰囲気が

によって生じています。

 

そんな雰囲気によって、次のような結末になりがちです。

 

・心配している人の気持ちを、心配されている人が受けとめなくてはならなくなる

・心配されている人が、相手が安心するように自分を変える約束しなければならなくなる

 

例えば・・・、

相手が心配してつらそうな顔をすると、「心配掛けてゴメンね」などと

謝らなければならなくなってしまいます。

 

泣いてしまったりしたら、泣きやまさなければならなくなります。

 

このような状態では、自分がつらいことなど、

もう、どこかに吹っ飛んでしまっています。

 

自分がつらいことを相手に知らせることは、

自分を安心な気持ちにさせるどころか、

逆に、更につらい気持ちにする自爆行為になってしまうのです。

 

このような経験を過去に繰り返しているとしたら、

相手がそのような「心配」という状態に陥ることを回避したいと思うのは

当然のことなのです。

 

もちろん、相手を思いやる気持ちから、

「心配掛けたくない」と思うこともあります。

 

その場合は、もともと相手が別のことで、

・大変そうだ

・つらそうだ

と感じていて、「これ以上負担は掛けられない」と考えるからです。

 

自分の大切な人が安心・安全に過ごしているかが心配になるのは

自然な心の動きです。

 

しかし、これまで説明したように、

つらい気持ちを話されたことによって心配になった自分の気持ちを

話した相手に伝えることは、つらい気持ちを話した人の助けになることは少なく、

逆に、新たな心理的に負荷を与えてしまう可能性が高いのです。

 

ただ、話された人が、自分に生じた心配な気持ちを放置し

自分一人で抱えることも大変なことです。

 

ですから、つらい気持ちを話した人とは違う他の誰かに、

その心配な気持ちを聴いてもらって、

自分の気持ちを平穏に導こうとすることも大切です。

 

相手のつらい話を聞かされたとき、

その出来事の問題点を探して指摘したくなることがあります。

 

これも、これまで説明したことと同様に、

相手のつらい気持ちを癒すことにはつながりません。

 

にも関わらず、問題点を指摘したくなる心理を

次に説明します。

 

 

もともとは、相手が、何を経験し、何を感じ、何を考え、どのように対処するかは、

その人の自由であるはずです。

 

しかし、『心配する』という行為で、

相手を自分の思い通りにコントロールしようとしてしまうことがあります。

 

なぜ、そのようにしてしまうのでしょう?

 

それは、過去の自分の経験において、つらい気持ちになったときに、

「誰かに一緒にいてもらって気持ちが楽になった」という経験が少ないからです。

 

ほんの一例ですが、例えば次のような事情があるとき、そんな経験が少なくなります。

 

・つらい気持ちになってしまったときは、いつも問題点を指摘された

・親が共稼ぎだったので、話したいときに、話せる相手がいなかった

・つらい気持ちの時は、いつも我慢するようにさせられた

 

このような事情があると

■つらい気持ちになる = その気持ちを一人で耐えて解決しなければならない

というイメージが確立されているために、

つらく感じることを防ぐことこそが、つらさから心を守るための最善の策だと

認識してしまいます。

 

厄介なことに、自分が経験した気持ちがつらければつらいほど、

また、相手を大切に思えば思うほど、

「自分と同じ思いはさせたくない」という気持ちが強くなります。

 

そして、自分が心配している状況に陥らないように

・相手をコントロールしようとしたり、

・取り巻く人や環境を変えようとしたり

してしまうのです。

 

このような傾向性があるときは、

相手が、自分の指導を受け入れずにつらい状況になってしまったときには、

 

・だから、止めておきなさいって言ったじゃない!

・だから、○○しなさいって言ったでしょ!

 

などと、つらくなった相手に更に追い討ちをかけてしまいがちです。

 

つらい気持ちの人に追い討ちをかけてしまうような人は、

どうしたら、それを止められると思いますか?

 

「そのような反応をやめる」と心に決めても、

やめられるものではありません。

 

答えは、

■つらい気持ちは、誰かに聴いてもらえば、元気な心に回復する

という事実を信じることです。

 

このことを知っただけでも、

つらくなった人に追い討ちをかけるような反応は自然に治まりはじめます。

 

そして、

・相手の心を回復させられる「相手のための良き聞き役」

・自分の心を回復させられる「自分のための良き話し役」

にもなれるのです。

 

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余談ですが・・・

この説明は「モンスター・ペアレント」と呼ばれる状態に陥った人にも

当てはまります。

 

今回の内容が理解できると、そのような反応をする人も、

反応は少しおかしいけれど、根本的なところでは皆と同じただの普通の人だと

理解できると思います。

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「トピックス:心配を掛けたくない・・・」のまとめです。

 

つらい気持ちになったときに、『心配を掛けたくない』という言葉が頭に浮かんだら、

次のような、感情・思考・行動のパターンが繰り返されていた可能性が高いです。

 

・ずっと、自分のつらい気持ちは我慢してきた

・ずっと、相手の心配する気持ちを受けとめてきた

・ずっと、相手の感情を自分が解決してきた

 

相手を思いやる前に、まず、自分に優しくねぎらってあげて下さい。

 

・今まで、良く我慢できたね・・・

・今まで、よく頑張ってきたね・・・

 

心配していた人も、心配されていた人も、

■つらい気持ちは、じっくり話を聴いてくれる人に話をするだけで、

 割り合い直ぐに楽にすることができる

 

ということを知って下さい。

 

それを知るだけで、

やがて『心配を掛けたくない』という言葉の呪縛から解放され、

 

・つらいときには、気持ちを誰かに話して、楽な自分に戻ることができる

・つらい気持ちを打ち明けられたときには、静かに耳を傾けて、相手を楽にしてあげられる

 

そんな風に変化していくはずです。

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