心を楽にするために振り返る子育て

モデルで説明する楽な心・苦しい心

更に、「優しい」という言葉には単一のイメージがあるのではなく、たくさんの意味や、言葉では言い表せないイメージなどが複合しています。

本書で扱う「心」にも、人によって異なる様々なイメージがあるといえます。

このイメージには、私たちに影響を及ぼす次の2つの働きがあります。

1つ目は、新しい情報を取捨選択させる働きです。

新しい情報・状況と自分が持っているイメージとの差異が許容範囲を超える場合は、「価値のないもの」として、情報や状況を切り捨ててしまうのです。

これは、自分の持つイメージとのギャップが大きすぎて、現実的ではないと感じてしまうことが原因だと考えています。

その結果、自分のイメージとの差異が許容範囲内の情報ばかりが蓄積されてしまいます。

2つ目は、新しい情報・状況を曲解させる働きです。

新しい情報・状況に、自分のイメージを当てはめながら理解しようとした結果、元々の意味合いが打ち消され、自分のイメージに近づくように変化してしまうのです。

また、「苦しさは、問題のある心に生じる」というイメージは、例えば、「楽になりたい」という気持ちを「心の問題を解決したい」と曲解させ、「心の問題」に関する情報ばかりを集めさせるように働くこともあります。

このように、第一印象や先入観と呼ぶこともできるこのイメージに縛られていては、なかなか有益な新しい情報を取り入れることができないのです。

本書では、みなさんのイメージに直接働きかけることによって、お伝えする情報の曲解や拒絶の割合が減るように、言葉での説明と合わせて、簡単なモデル(画像)で「心」の状態を沢山表現するようにしています。

第一部では「苦しい心」のイメージを簡単に説明し、第二部では、「苦しい心」と「楽な心」について詳しく説明します。 

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