心を楽にするために振り返る子育て

1.1.2 『怒り』に関する誤解

『思いやり』というと『相手に何かをしてあげること』と考えがちですが、相手のことを理解せずに『思いやり』と思ってすることは『偽善』で、本当の『思いやり』とは『相手に悪意が無い前提で相手を理解しようとする姿勢』なのだろうと思います。

ここで、注意しなければならないことがあります。

たぶん、ここまでの説明を読むと、「そのようなことはこれまでもやってきた」と思うかもしれません。

きっと、子供が誰かに怒っているとき、「ひとの気持ちも考えなさい」と相手の気持ちを想像させたり、親が相手の子供の気持ちを汲み取って説明したりして、子供に理解させようとしてきたと思います。

でも、その前にすべき大切なことがあります。それは、自分の子供が怒っている気持ちを理解しようとすることです。

子供の思っている通りに正確に理解することではありません。

子供の話を聞く前に、子供の気持ちが想像できてしまったとしても、子供の言葉を通して理解しようとする姿勢でいることが重要です。

そのような対処によって、『理解しようとする姿勢でいる』ということが子供に伝わることが重要なのです。

子供に、どのように考えて怒っているかを話してもらって、「そう考えたら腹が立つよね」と言ってあげられるように理解し、実際にそう言ってあげます。

そして、抱き上げて、気持ちが落ち着くまで怒りを吐き出させてあげます。

詳しくは説明しませんが、怒りは悲しみと同じですから、子供が自分の感情を怒りではなく悲しみと解釈できるように手伝ってあげると対処が少し楽になります。

子供に、もともとの望みやワクワクしていた気持ちを意識させると、相手に向かっていた意識が、自分の望みと結果のギャップに向かうようになり、不快の感情への解釈は『怒り』から『悲しみ』に変わっていきます。

『子供が望んでいたこと』、『望んだときの気持ち』、『望みを叶えようと行動していたときの気持ち』、『望み通りにならなかった気持ち』などを教えてもらっているうちに、きっと子供は泣き出します。

子供は、親が作る安心な雰囲気の中で泣き切ることによって穏やかな気持ちを取り戻します。

子供が怒っていた相手の気持ちを汲み取った解釈を説明してあげるのは、それからです。

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