心を楽にするために振り返る子育て

1.1.3 『甘やかせる』に関する誤解

ところが、親が子供の代わりに行動していると、親が感じたことに基づいて、親が考え、親が行動してしまうことになります。

このようなとき、子供が自分で何かをしようとすると親から責められてしまいますし、自分がしなくても親が自分の代わりに、感じ、考え、行動してしまうのですから、子供は自分で、感じたり、考えたり、行動したりする必要がなくなってしまいます。

『活動のサイクル』の一部が、親という他人の『活動のサイクル』に乗っ取られてしまうのです。

これが習慣化すると、『活動のサイクル』は、既知の体験ではパターン化された行動を繰り返すようになり、また、未知の体験では親に割り込まれる部分で親のパートが終わるのを待つようになり、自己の中では完結しない状態になってしまいます。

このようにして『活動のサイクル』の一部を親に譲り渡してしまった子供は、依存性が高いとかしっかりしていないなどと思われがちです。

でも、実際は、『活動のサイクル』の中の親に譲り渡してしまった部分を他者が終えるのを待つ状態に陥っているだけです。

これは習慣となってしまっている反応で、本人は疑問をもつことはありませんし、他者に代わりに行動してもらおうとする意図もありません。

このように、『活動のサイクル』の中で、待ち状態が生じるようになった子供が成長したときに、『指示待ち人間』、『自分では何もしない人』、『自分で考えようとしない人』、『甘やかされて育てられた人』、『他人は自分のために何かをしてくれると思っている人』などと呼ばれてしまうのです。

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