まえがき : 心を楽にするために振り返る子育て
心に苦しさを抱えてカウンセリングを利用される方々の多くは、小さな子供の頃に、家庭での親子のコミュニケーションに何らかの問題があったという共通点があります。
コミュニケーションの問題は、
①家族が、子供の精神的な苦痛を和らげられない
②家族が、子供の感覚・感情、思考、行動を妨げることによって精神的苦痛を与える傾向が強い
という二点にあります。
問題のあるコミュニケーションというと、厳し過ぎる躾(しつけ)、虐待やネグレクトなど、ニュースなどで話題になるようなことを思い浮かべるかもしれません。
でも、何の問題もないように思えるコミュニケーションに、重大な問題が潜んでいることが多いのです。
問題のあるコミュニケーションを、親が繰り返してしまうことによって、子供に、いつまでも心の苦しさを解消できずに独りきりで抱え込んでしまう傾向性を身に付けさせてしまいます。
更に、最も重要なポイントがあります。
それは、問題のあるコミュニケーションを、親が繰り返してしまうことによって、『心の闇を作るカラクリ』が子供の心に埋め込まれてしまうということです。
このカラクリは、辛さを感じることをきっかけにして、自動的に心の苦しさを増大させ続ける働きをしてしまいます。